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植物性たんぱく質分野における最近の大手企業の動きはこの分野の事業の今後において何を意味するのか

ラックスリサーチ

植物性たんぱく質分野のスタートアップ企業がベンチャーキャピタルから数億ドル規模の資金を調達する中、大手多国籍企業(MNC)もこの分野に参入し始めています。植物たんぱく質分野における大手企業の活動は、2018年以降、特に目新しいものではありませんが、これら企業による最近の取り組みはその内容や規模において注目に値します。このブログでは、3つの大手企業の取り組みを概説し、それがエコシステムに与える影響について議論します。

1. Cargillは、ビーガンの脂肪と血の分野でスタートアップ企業のBFLIKEとジョイントベンチャーを設立(2021年4月

  • Cargillは、過去数年間、植物性たんぱく質事業を構築してきており、少なくとも3億ドル相当の投資を行っています。この戦略は、米国のエンドウ豆タンパク質メーカー、Purisとの合弁会社(JV)で、2018年1月から2019年8月の間に合計1億ドルを投資し、2019年7月に始まったドイツの加工施設をトウモロコシからコムギ加工向けに変更するために2億ドル投資したというものです。

  • 最近設立されたBflikeとのJVは、Cargillのコア・コンピタンスを植物たんぱく質成分そのものにとどまらず、拡大させています。この戦略的な動きは、動物と植物を中心とした製品の間の「感覚面でのパリティ(sensorial parity)」に達するのに役立つ加工技術と配合技術をどのように強化するかを実証するものです。このJVは、Cargill(中国のPlantEverブランドなど)と消費材メーカー顧客の双方にとって、完成品を強化する手段となります。

  • このCargillの戦略的な動きに加え、IFFとDuPont Nutrition & Biosciences社との巨大な合併が2021年2月に完了したことで、原料会社は、原料や風味などをまとめ、消費材メーカーと植物性たんぱく質を中心とした製品を共同開発する「ワンストップ・ショップ」としての役割を果たすことへとプレッシャーが強まることが予想されます。

 

2. JBSは植物性たんぱく質肉を提供するViveraを4億1,000万ドルで買収することで合意(2021年4月

  • この買収の金額の大きさと、買収者が既存の肉製品メーカーであることは、最も注目に値します。実際、我々の知る限り、これまでのところ、本買収案件は肉製品メーカーによって行われた植物たんぱく質分野における最大の買収です。これは、すでにJBS自身やTyson, Smithfield Foodsなどが行っているように、社内で開発した製品を発売することで、これまでのスタートアップによる植物性たんぱく質肉の市場導入というトレンドを崩すものとなります。
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    大手企業による植物性たんぱく質分野におけるM&Aの動きは鈍化し衰退しており、2018年12月のUnileverによるThe Vegetarian Butcherの買収が今のところ最も注目に値する案件です。しかし、それが意味するところは、植物性たんぱく質分野のオーガニックグロースとノンオーガニックグロースにおける資金の配分の変化であり、前者の方がより発展性があり、コストもずっと低いことがわかっています。

 

3. Post Holdingsは植物性たんぱく質肉スタートアップのHUNGRY PLANETの2,500万ドルのシリーズAにリード投資家として参加(2021年4月 

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    Postのこの出資の大きな動機は、タマゴ加工品やジャガイモ製品を販売する子会社のMichael Foodsの提供する商品を補完することにあります。Postからの出資は、2021年1月にHungry Planetと流通提携を結んだ直後に行われました。自然に補完的な植物性たんぱく質の代替商品により商品ポートフォリオを拡大し、拡張可能性をテストするというこのアプローチは注目に値します。

  • 植物性たんぱく質業界の勢いは、既存の原料を取り入れ、それを新しい植物性たんぱく質商品に利用する機会を示しています。あまり取り上げられていないものの可能性を感じさせる点としては、Postのシリアル事業と小麦たんぱく質を含むHungry Planetの製品の適合性です。2021年1月に結成されたPepsiCoとBeyond MeatのJVは、同様の結びつきを模倣したものであり、Quakerのオーツ麦、Lay'sのジャガイモ、Sabraのひよこ豆、と、それぞれのブランドが持つ広大な供給ネットワークを生かすことになりました。

 

#LUXTAKE(ラックスリサーチの見解)

これらの出来事は、植物性たんぱく質による代替商品も意識して、技術や商品を追加することが、既存事業を強化する上で不可欠となっていることを示しています。この分野に関心がある企業は、提携先の探索や選定を行う前に、まずは進化しつつある植物性たんぱく質分野の概況を十分調査し理解することをお勧めします。

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※本ブログ記事は、英文の記事を翻訳したものです。原文記事はこちらからご確認いただけます

 

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